バイトブロックの装着基準について

経口挿管している患者は、挿管苦痛を訴えることが多い。それは、チューブ留置に伴う疼痛や呼吸器との同調性、話せないことによるストレスなど様々な因子がある。挿管チューブを噛み切ろうとする行為もこれらの苦痛を患者なりに表現している仕草である。挿管チューブは噛むことにより呼吸器からの酸素が途絶えてしまうこともある。医療安全の観点からこれを予防するためにバイトブロックがルーチンで使用されてきた。しかし、バイトブロックを装着すること事態が弊害を生むケースも少なくない。バイトブロックは口腔や皮膚を圧迫し、潰瘍の形成することがある。さらに、口腔ケアを実施するときに邪魔になり、十分な口腔ケアが実施できないこともある。そして、患者もバイトブロックがあること事態が不快であるという患者もいる。そのため、近年バイトブロックを外そうとする風潮がある。
JSEPTIC看護部のメーリングリストで先日このことについて情報を交換する機会があった。
「他の施設でバイトブロックを装着しない基準があるのか」という質問からであった。その施設はルーチンでバイトブロックを使用することを止め、非適応患者にはバイトブロックは積極的に外していきたいという想いからであった。
その中で様々な意見がメーリングリスト内で飛び交った。
バイトブロックの非適応患者に「脳外以外」「歯がない患者」「意思疎通可能で意識障害がない患者」が挙げられたが、これらを明確に基準としている施設はなく、個人に任せているという施設や、スタッフと相談して決定している施設などがほとんどであった。

挿管患者に抑制を装着する基準などは明確にされているが、バイトブロックにはこれらの基準はない(知らないだけかもしれないが)。バイトブロックは抑制同様ICUではルーチン化された文化的な業務である。クリティカルケア領域では患者個々に合わせたケアが要求される。バイトブロックも患者個々に合わせて種類を考え、不要な患者には外すよう関わっていく必要があるのではないか。少なくとも、上記のバイトブロック非適応患者には装着しないようにスタッフ間で相談しなくても良いのではないだろうか。私たちはルーチンで患者さんを看ている訳ではないのだから。

コメント

  1. 読ませていただきました。
    海外文献において、バイトブロックに対する研究はあるのでしょうか?
    どのような見解がワールドスタンダードなのですか?やはり基準を設定することなのでしょうか?

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